こんにちは、まーるです
ワタシは、誰かを家に招くときには、旦那さんのもてなしプランに全信頼を置いています
彼の気楽さと、飾らないもてなしが、今はとても心地よく楽しいからです
今は、ですが
かつてのワタシは、人をもてなす時には、前もって色々と考えて準備して、迷ったり選んだりしながら当日までにシッカリ段取りする性格でした
でも、ワタシの旦那さんは、
まったく違っていたのです・・・
お花見の場所問題
彼と結婚してすぐに、ワタシたちはお互いの友人を呼んでお花見を企画しました
来てくれる友人は30人以上
場所は、自宅からすぐ近くですが、都内有数の桜の名所として知られる場所です
そこは、数日前から場所取りのシートで地面が埋め尽くされるようなお花見激戦区
沢山の友人に来てもらうんだから、場所はなんとしても確保しなくては
ワタシたちは当日朝6時に目覚ましをセットして、大きなビニールシートを2枚抱え、いざ場所取りへ出発しました
しかし、時すでに遅し
桜の下のベストスポットはもちろんのこと、その他周辺もすでにビッシリと場所取りのシートで埋め尽くされています
呆然とするほど、どこも空いていなかったのです・・・
それでも、楽観的な旦那さん
「この辺でいいっしょ♪」と指差したのは、でっこぼこの段差の途中
段差もシート引いちゃえば一見平ら、でも実は段差あるんですーって
トリックアートじゃあるまいし、お酒飲んでなくても転ぶ人続出だよ、危なすぎるよ
却下!
敷き詰められたシートの隙間をつま先で避けながら進み、場所探しは続きます
「ここ良くない?」
ふたたび彼が指差したのは、もうお花見スポットからも遊歩道からも離れた、ただの工事現場
の、フェンスの前
(もちろん、お花は一本も一輪も咲いていない)
ここって、もはやお花見でもなんでもない、 ただの砂利道・・・
そうワタシが言葉を無くして立ち尽くしてしていると、後ろから「邪魔だよ!」という声と共に工事車両が続々と入ってきました
いや当たり前だよ、私たちが大間違いしてるよ、「現場」ですよここは
却下!
来てくれる友人たちや、一緒に来る子供たちの姿が浮かび、ワタシはもう焦るばかり
ワタシの「却下!」に、「どうしてダメなのかなー」と不思議顔の彼にだんだんイライラしてきて、30人も来るのに場所どうすんの!?とワタシも喧嘩腰になってきました
奇跡のお花見スポット
そうして二人ともぐったりしながら、お花見の場所を求めて少し先の公園まで足を伸ばしたり、ぐるぐると歩きまわっているうちに、自宅マンション付近まで戻ってきてしまいました
家を出発してから、かれこれ2時間近く経っています
少し休憩しようと、お花見激戦区から数分歩いた少し高台になった一角で、足を止めました
ぼんやり眺めた視線の先に、なんとまだ誰もシートを敷いていない、満開の桜の木があるではありませんか!
あったー!!
2人で砂漠の中でオアシスを見つけた旅人のごとく、その桜の木に駆け寄りました
(嬉しさのあまりワオキツネザルさながら、横っ飛びで駆け寄っていたかもしれない)
「お花見、ここにしよう!」2人とも嬉しくてそれまでの不穏な空気をすっかり忘れて、躍る気持ちで桜の木の下にブルーシートを敷きました
二次会の場所問題
まだまだ言わせてください 長くてすみません・・・
最高のロケーションで、友人たちとのお花見は大いに盛り上がり、あっという間に日も暮れかけて、すっかり冷え込んできました
そろそろ寒いし、場所を変えて二次会へ!という声が上がり、ワタシは予め下調べして候補に上げていた居酒屋へ行こうと考えていると、
彼が「じゃ、みんなでウチで飲みなおそう」
と朗らかに高らかに言ったのです
う、うち!?うちってあのこじんまりとした1LDKの我が家のこと!?
途中で何人か帰ったとはいえ、全員ウチに入るとお思いで?
サザエさんのエンディングじゃないんだから、オーライオーライって小さい家に全員入らないでしょ
ワタシがそう言っても「ダイジョブダイジョブ」と皆を先導して我が家へ向かう彼
結局、
全員、入りました、我が家に
玄関の靴が、上に三重に置かれてるの初めて見たよ
家の中が、“ウォーリーを探せ”みたいな人口密度になっています
友人の子供たちが、寝室のベッドで飛び跳ねたりおやつ食べたり、じゃがりこの取り合いして喧嘩してるキッズもいる・・・もう、カオス・・・
二次会から友達が友達を呼んだり、パートナーや兄妹や姪や甥(!)を呼んだりして、人数はどんどん増えていきます
ワタシたち夫婦も初めて会う人が続々と参加し、また新たな宴会が始まったのです
最後にこんな展開になるとは
我が家で、すし詰め状態で繰り広げられる宴
ワタシの段取りなんて、もてなしプランなんて、もう粉々の散り散り
いえ、一瞬にしてジュっと灰となって飛んでいきました・・・
行きあたりばったり体当たりのお花見、そして二次会
ワタシからは考えられない展開!
でも、そこにいた彼や周りの友人たちを見ると、とっても楽しそうなんです
みんな、誰も彼も関係なく受け入れて、全員が笑っていて
なんてハッピーな空間なんだろう、と見とれてしまうほどでした
二次会で初めて会った者同士が意気投合して、翌月にはみんなで旅行に行くというおまけまで付いて、本当になんという展開
ノープラン、広がりかたが無限大
もてなすために、あれやこれやと段取りを考えすぎていたワタシは、彼の臨機応変さ(行きあたりばったりじゃないのかも)と、
「みんなが楽しくなる展開」を読む力に脱帽したのでした
なにより、ワタシも楽しかったんです!
それ以来、私は彼の無計画がもたらす無限の可能性をすっかり信頼するようになりました
無事に宴会を締めくくり、皆が帰っていき、長かったけど楽しかった一日を振り返りながら、穏やかな気持ちでスッと眠りにつこうとしたその時、
背中にギューっと差し込む痛みが!
痛すぎて飛び起きると、キッズたちが取り合って喧嘩していたじゃがりこの破片が
鋭利な凶器となって私の背中に刺さっていたのでした
いやはや、なんとも忘れられないお花見に、なりました
風に順いて呼ぶ(かぜにしたがいてよぶ)
【意味】勢いに乗じて事を行えば成功しやすいというたとえ
